あるところに、カーレンと いう おんなのこが いました。
うちが まずしかったので、きの くつを はいていました。
そのために、カーレンの あしは いつも まっかで、とても いたそうでした。
あるとき、きのどくに おもった くつやの おばさんが、くつを つくってくれました。
あかい ぼろきれで つくった、ちいさな くつでしたけれど、カーレンは どんなに うれしかったことでしょう!
カーレンが、はじめて あかい くつを はいたのは、おかあさんの おそうしきの ひでした。
おそうしきに あかい くつを はくなんて、よくないことです。
でも、しかたがありません。
カーレンは、あかい くつの ほかには、なにも もっていなかったのですから。
みすぼらしい おかんの あとから、とぼとぼ ついてゆく カーレンを みて、一だいの ばしゃが とまりました。
「その きのどくな しょうじょを、わたしに あずからせてくれませんか?
きっと、たいせつに そだてますから。」
ばしゃに のっていた としよりの おくさまが、ぼくしに いいました。
そのひから、カーレンは おくさまの うちで くらすことになりました。
おくさまは ぼくしに やくそくしたとおり、カーレンを とても かわいがりました。
あたらしい ようふくを きせてくれたり、よみかきや、おさいほうを ならわせてくれました。
カーレンは、しあわせでした。
でも、たった 一つだけ かなしいことが あったのです。
それは、あの あかい くつを、もされて しまったことでした。
カーレンにとって あかい くつは、たからものよりも、もっと たいせつな ものでした。
でも おくさまには、きたならしい ぼろぐつにしか みえなかったのです。
そんな あるひ、まちに じょおうさまが やってきたのです。
まちの ひとびとは、じょおうさまを みようとして、ひろばに あつまりました。
もちろん、カーレンも でかけました。
やがて、じょおうさまが おうじょを つれて あらわれると、ひとびとは、はくしゅと かんせいで、ふたりを たたえました。
ところが、おうじょを みたとたん、カーレンは、おもわず つぶやいたのです。
「なんて すてきな、くつでしょう!」
モロッコがわで つくられた あかい くつは、カーレンの こころに ふかく やきついて、いつまでも きえませんでした。