むかし、ペルシャの くにに、カシムと アリババという きょうだいが いました。
あにの カシムは、りっぱな やしきに すんで、ぜいたくな くらしをしていました。
それにひきかえ、おとうとの アリババは そまつな いえに すみ、やまで とってきた まきを うって くらしていました。
あるひの ことです。
アリババは いつものように、やまに まきを とりに でかけました。
まきを ろばに つみおわり、かえろうと しているときでした。
ど、ど、ど、ど、ど……。
たくさんの うまの ひずめの おとが ちかづいてきます。
〈あっ、たいへんだ!あれは、この あたりを あらしまわっている どろぼうたちに ちがいない。〉
アリババは、いそいで ろばを くさの しげみに かくすと、おおきな いわの そばの、たかい きに のぼりました。
まもなく、うまに のった おおぜいの あらくれおとこたちが、アリババの かくれている きの したまで やってきました。
おそれていたとおり、それは 四十にんの どろぼうたちでした。
どろぼうたちは、いっせいに うまからおりると、かねぶくろを つぎつぎに うまの せから おろしました。
やがて、かしららしい おとこが いわに むかって、
「ひらけ、ごま!」
と おおごえで さけびました。
すると ふしぎなことに、いわが ひとりでに ひらいたのです。
どろぼうたちは、ぬすんできた ふくろを かついで、ほらあなの なかに はいっていきました。アリババは ゆめを みているような ここちです。
まもなく、どろぼうたちは ふくろを おいて でてきました。
「とじろ ごま!」
さいごに でてきた かしらが さけぶと、いわは もとどおりに しまりました。
そして、どろぼうたちは すなけむりをあげて、ふたたび やまを おりていったのです。
〈ふしぎなことが あるものだ。〉
アリババは、いま みたことを たしかめてみたくなりました。
そこで、いわの まえに たつと、どろぼうの かしらが いったように、
「ひらけ、ごま!」
と さけんでみました。
いわの とは さっきと おなじように ひらいて、ぽっかりと ほらあなが あいたのです。
アリババは、おそるおそる なかに はいってみました。