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エメリアンとたいこ 1/6

 むかし、ロシアの ある まちはずれに、エメリアンと いう、わかい おひゃくしょうさんが すんでいました。

 あるひのこと、エメリアンは みちばたで、うつくしい むすめに であいました。

 「おはよう、エメリアン。」

 「えっ? どうして、ぼくの なまえを しってるの?」

 「あなたが まじめで、はたらきものだっていうことは、だれでも しっているわ。」

 むすめは それから、ちょっと はずかしそうに いいました。

 「ねえ エメリアン……わたしを、およめさんに してくれない?」

 「なんだって!」

 エメリアンは、めを まるくして むすめの かおを みつめました。


 さて そのひから、むすめは エメリアンの うちで くらすことになりました。

 ところが あるとき、おうさまが まちに やってきて、エメリアンの おくさんを みつけたのです。

 〈なんて うつくしい むすめだ!〉

 おうさまは ばしゃの なかから、おくさんを よびとめました。

 「おまえは、どこの いえのものじゃ?」

 「はい。 わたしは、エメリアンと いう ひゃくしょうの つまで ございます。」

 「なに、ひゃくしょうの おくさんだと?

 それは もったいない……おまえほど うつくしければ、おきさきにだって なれるものを……。」

 おうさまは、いかにも ざんねんそうに いいました。


 おしろに かえった おうさまは、エメリアンの おくさんが わすれられません。

 〈なんとかして、わしの おきさきに したいものだ。〉

 と、まいにち ためいきばかり ついています。

 この ようすを みた けらいたちが、おうさまに いいました。

 「よい かんがえが ございます。

 エメリアンを おしろへ よんで、こきつかったら いかがでしょう?

 そうすれば、エメリアンは へたばって、しんでしまうに ちがいありません。」

 「なるほど、それは よい かんがえだ。」

 おうさまは おおよろこびです。


 さっそく、おうさまの おつかいが エメリアンの うちに ゆき、

 『あしたから おしろで はたらくように』

 と いう、めいれいを つたえました。

 「おうさまは、ぼくに なにを させようというのだろう?」

 エメリアンは、しんぱいそうに おくさんを みました。

 「だいじょうぶ。 あなたは いままでどおり、まじめに いっしょうけんめい はたらいてくれば いいのですよ。」

 と、おくさんが いいました。


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