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いっすんぼうし 1/6

 むかし、なにわ(いまの おおさか)に なかのよい ふうふが すんでいました。

 ふうふの たったひとつの なやみは、こどもが いないことでした。

 そこで ふたりは、ちかくの すみよしみょうじんさまに おねがいすることにしました。

 「どんなに ちいさくても かまいません。

 どうか、わたしたちに こどもを おさずけください。」

 ふうふは、いっしょうけんめい おいのりをしました。


 ふたりの ねがいが かみさまに つうじたのか、やがて おとこの あかちゃんが うまれました。

 とても かわいらしい あかちゃんでしたが、おやゆびくらいの おおきさしかありませんでした。

 「このこは、どうして こんなに ちいさいんでしょう?」

 「いいじゃないか、ねがいが かなったんだから。」

 ふうふは、このこを “いっすんぼうし”と なづけ、たいそう かわいがりました。

 でも、いっすんぼうしの せいは、いつまでたっても のびませんでした。


 いっすんぼうしが 十三さいに なったとしのことです。

 「おとうさん、おかあさん、ぼくを みやこに いかせてください。」

 とつぜん こういわれたので、おとうさんも おかあさんも びっくりしてしまいました。

 「からだは ちいさくても、ぼくは きっと りっぱなひとに なってみせます。

 そして、おとうさんと おかあさんを むかえにきます。」

 いっすんぼうしは、むねを はって いいました。

 おとうさんと おかあさんは、いっすんぼうしが あんまり しんけんなので、ねがいを ききいれてやりました。


 しゅっぱつの ひがきました。

 いっすんぼうしは、はりの かたなを こしに さしました。

 おわんが ふねで、おはしが かいです。

 「おとうさん、おかあさん、いってまいります。」

 「しっかり がんばっておいで!」

 「からだに きをつけるんだよ!」

 いっすんぼうしの おわんのふねは、ゆらりと きしを はなれました。

 おとうさんと おかあさんは、ふねが みえなくなるまで しんぱいそうに みおくりました。


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