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マッチうりのしょうじょ 1/6

 それは それは、さむいひ でした。

 まちには ゆきが ふっていました。

 あたりは もう うすぐらくなって、みちをゆく ひとたちも、 いそがしそうに あるいてゆきます。

 きょうは、一ねんの うちで いちばんおしまいの、おおみそか なのです。

 あしたに なれば、 あたらしい としが やってくるのです。


 まちの とおりを、みすぼらしい なりをした、ひとりの しょうじょが あるいていました。

 この さむいなかを、ぼうしも かぶらず、くつも はかずに……。

 しょうじょは、マッチを うっているのでした。

 「マッチは いりませんか、

 マッチを かってください。」

 しょうじょは そういって、とおる ひとたちに こえを かけています。
 
 けれども、だれも かっては くれません。


   しょうじょの あしは、すっかり つめたくなっていました。
 
 むりも ありません。

 ゆきの うえを、はだしで あるいているのですから……。

 それでも うちを でるときは、ちゃんと くつを はいていたのです。

 おかあさんの おふるで、だぶだぶの くつでしたけれど。

 でも さっき、とおりを よこぎろうとしたとき……、

 すごい いきおいで、一だいの ばしゃが はしってきたのです。


 「どけどけっ! あぶないぞ!」

 ぎょしゃの どなりごえに おどろいた しょうじょは、あわてて、ころんでしまいました。


 ガラガラッ!

 たおれている しょうじょの そばを、ばしゃが おとを たてて、とおりすぎました。


 やっと おきあがった しょうじょが きがつくと、くつが ありません。

 ころんだ ひょうしに、くつが ぬげて、どこかへ いってしまったのです。

 しょうじょは くつを さがしましたが、とうとう みつかりませんでした。


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