むかし あるところに、まずしい こなやがあり、三にんの むすこが いました。
あるとき、ちちおやが びょうきで しんでしまったので、むすこたちは ざいさんを わけることにしました。
「おれは こなひきばを もらうよ。」
「それじゃ、ぼくは ろばだ。」
ふたりの にいさんが こなひきばと ろばを とってしまったので、三ばんめの むすこには ねこしか のこりませんでした。
「にいさんたちは いいな。こなひきばも ろばも やくにたつもの。
ねこなんて……、かわいがるには いいさ。でも やくになんかたちゃしない。」
一ばん したの むすこは、くちを とがらせました。
「あーあ、きょうから ぼくは どうやって くらしていけばいいんだ……。」
三ばんめの むすこは ためいきを つきながら、すみなれた うちを でていきました。
しばらくすると とつぜん、
「そんなに がっかりしなくても だいじょうぶですよ。」
と ねこが しゃべったので、むすこは びっくりしました。
「わたしに おまかせなさい。きっと あなたの おやくにたちますから。
これから のはらで しごとをしますので、わたしの あしに ぴったりの ながぐつを つくって ください。
それから、ふくろも ひとつね。」
むすこは、おかしなことを いう ねこだと おもいました。
でも、ねこが あまり じしん たっぷりに いうので、そのとおりにしてやりました。
「どうです、よく にあうでしょう。」
ねこは ながぐつを はくと、きどってみせました。
それから ねこは、はたけから きゃべつの はっぱを とってきて、ふくろに つめました。
「それでは ごしゅじんさま、しごとに いってまいります。」
ねこは ふくろを かついで、ひろい のはらに でかけていきました。
のはらには うさぎが あそんでいました。
ねこは きゃべつの はいった ふくろの くちを あけると、きの かげに よこになりました。
そこへ、きゃべつを みつけた うさぎが ちかよってきました。
うさぎは、ねこが しんだように うごかないので あんしんしたのです。
ところが、うさぎが ふくろの なかに もぐりこんで、きゃべつを たべはじめたときです。
ねこは ぱっと おきあがると、ふくろの くちを ひもで しばってしまいました。