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にんぎょひめ 1/6

 あおい あおい うみの なかを、どこまでも ふかく もぐってゆくと、

 やがて、うつくしい おしろが みえてきます。

 かべは さんご、やねは しんじゅがいで かざられ、みずが ゆれるたびに、あかや ぎんいろに かがやいて、まるで ゆめのくにの おしろのようです。

 にわには、きいろや あかや、みどりの みずくさが はえ、その あいだを、いろとりどりの さかなが およいでいます。


 ここは、にんぎょの おしろなのです。


 おしろには、にんぎょの おばあさんと、六にんの にんぎょひめが すんでいました。

 うみの なかには、いろいろ たのしいことが ありましたが、ひめたちの いちばんの たのしみは、おばあさんから、うみの うえの はなしを きくことでした。

 にんげん・とり・いぬ・そら・ふね・おひさま・きょうかいの かねの おと……。

 おばあさんは、なんでも しっていました。

 
 「おまえたちが 十五さいに なったら、うみの うえに ゆかせてあげますよ。」

 おばあさんの はなしを きくたびに、

 〈はやく、十五に なりたいわ……。〉

 ひめたちは まちどおしそうに、としを かぞえるのでした。


 つぎのとし、一ばん うえの ひめが、十五に なりました。

 「いいわねえ、おねえさまは……。」

 五にんの ひめは、ためいきを つきながら いいました。

 なぜって、六にんの ひめは、それぞれ 一つずつ、としが ちがっていたからです。

 「かえってきたら、はなしを してあげるわ!

 たのしみに まっていらっしゃい。」

 一ばんめの ひめは、げんきよく でかけてゆきました。


 さて、そのばんは おおさわぎでした。

 かえってきた ひめの はなしで、みんなは むちゅうだったからです。

 まちの あかり・おんがく・ばしゃの おと・かねの おと……。

 はなしは、いつまでも つきません。


 それから まいとし、ひめたちは ひとりずつ うみの うえに でかけ、じぶんが みてきたことを はなして きかせました。

 ニばんめの ひめは、ゆうやけ・きんいろの くも・はくちょうの むれ……。

 三ばんめの ひめは、みどりの おか・おしろ・とりの こえ・にんげんの こども……。

 四ばんめの ひめは、ふね・いるか・しおを ふく くじら……。

 五ばんめの ひめは、うみに うかぶ こおりの やま・いなずま・かみなり……。

 六ばんめの ひめは、……いいえ、六ばんめの ひめは、まだ 十五には なっていませんでした。


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