いまから 千ねんいじょうも まえの、おはなしです。
とうのくに(いまの ちゅうごく)から にほんに むかって、一せきの ふねが うみを わたっていました。
のっているのは、とうのくにの おつかいの ひとたちで、たからの たまを とどけるために、はるばる やってきたのです。
たからの たまは、すいしょうで できており、なかに、おしゃかさまの すがたが きざんでありました。
さて、もうすぐ ふねが にほんに つくと いうときです。
いままで おだやかだった うみが、きゅうに あれだしました。
つよい かぜが ふき、なみが たかくなって、ふねは いまにも ひっくりかえりそうです。
のっている ひとたちは、ひっしになって ほばしらや、てすりなどに しがみつきました。
ところが、いつのまにか かぜは やみ、なみも おさまって、うみは もとのように しずかになったのです。
「いったい どうしたわけだろう?」
ひとびとは、しばらく あっけに とられていましたが、ふと たからの たまが きになりだしました。
いそいで はこを あけてみると、
たまが なくなっているのです。
「たいへんだ!」
みんなは あおくなって、ふねの なかを さがしました。
けれども、どうしても たまは みつからないのです。
おつかいの ひとたちは、ふねを ちかくの しまに つけると、いそいで やくにんの ところへ ゆきました。
「だいじな たからの たまを、なくしてしまいました。
どんなことをしてでも、さがしださねばなりません。
どうか、ちからを かしてください。」
わけを きいた やくにんは、
「なんとか さがしてみましょう。」
と こたえました。
