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エリザベス1世(1533-1603)

エリザベス1世(1533-1603)「グッド・クィーン・ベス」(すばらしい女王、エリザベス)という愛称で国民からしたわれたエリザベス1世は、すぐれた知恵と強い意思をもったイギリスの女王です。エリザベスが女王の位についたのは、16世紀なかばの1558年、25歳のときです。そのご45年間イギリスをおさめ、おとろえかけていたイギリスを、世界にほこる大帝国にたてなおしました。

エリザベスは1533年に、国王ヘンリー8世の王女として生まれました。メアリーという17歳年うえの姉がいて、エリザベスが20歳のとき、メアリーが女王になりました。キリスト教が、旧教(ローマ・カトリック)と新教(プロテスタント)の2つにわかれてあらそっていた時代です。メアリー女王は旧教でしたが、エリザベスは新教の国民たちに人気がありました。それでメアリーは、エリザベスが国民たちから女王におされるのを、おそれていました。メアリーは、エリザベスをロンドン塔にとじこめ、そのご、遠くのハットフィールド宮殿に追いやってしまいました。エリザベスはこの宮殿で3年余り暮らしました。このとき語学を勉強し、ギリシア、ラテン、イタリア、フランスなどの外国語をじょうずに話せるようになりました。

1558年、メアリー女王が亡くなると、エリザベスは、イギリス女王として国民のよろこびにむかえられました。このことを、ふゆかいに思ったのが、スペイン国王のフェリペ2世です。そのころのスペインは、旧教の代表国で、新教と旧教があらそっている国の旧教徒に手をかして、国を支配しようとしてしまいました。それまでのイギリスも、フェリペ2世の野望にあやつられていたのです。女王になったエリザベスは、スペインの口だしをきっぱりとことわり、国の宗教を,新教を中心にまとめました。野望をそがれたフェリペ2世は、1588年、スペイン無敵艦隊をイギリスにむかわせ、いっきょに征服しようとしました。無敵艦隊の名のとおり、ヨーロッパでもっとも強い海軍です。しかし、スペイン軍はドレーク船長の指揮するイギリス軍にうちやぶられてしまいました。

エリザベス1世の政治は、イギリス軍の力をいっそう強め、産業や文化の発展をはかり、国をさかえさせました。小さな島国のイギリスが、ヨーロッパの大国として、世界じゅうに名をひびかせたのです。女王は一生独身でしたから、あとつぎの子がなく、スコットランドのジェームズ国王に位をゆずりました。これによって、イングランドとスコットランドが合併し、連合王国となりました。


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