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(8)

ネルソン(1758ー1805)

イギリス海軍のネルソン提督は、海戦の英雄です。そしてイギリス人のほこりとする軍人でした。トラファルガル沖海戦で、フランス・スペイン連合艦隊をうちくだいたときの勇かんな戦いぶりは、いまでも語りぐさになっています。

ホレーショー・ネルソンは、イギリスのノーフォーク地方に生まれ、わずか12歳で海軍にはいりました。各地の勤務でたたきあげ、20歳で大佐、25歳で艦長になりました。ネルソンは、1793年からは、おもにフランス軍と対戦して、目ざましいてがらをたてました。しかし、コルシカ島で戦っているとき右目を失明し、カナリア諸島での海戦では右腕を失ってしまいました。

そのころのヨーロッパは、全土にわたって戦争がくりひろげられていました。フランスのナポレオンが、わがもの顔に各国を、馬のひずめでけちらしていた時代です。これにたいしてイギリスは、ロシア、オーストリア、スウェーデンなどと大同盟をむすび、フランスに立ちむかいました。フランスと連合するのは、スペインただ一国でした。強力な海軍を持つイギリスは、ナポレオンにとって最大の問題となっていました。

1805年8月に、イギリスに先手をとろうと、フランス軍がドーバー海峡に集まってきました。ところが、ネルソンのひきいるイギリス海軍は、すきがまったくありません。ナポレオンは、正面からせめることが、できませんでした。そこで、フランス海軍は、たくみにネルソンをおびきだす作戦をたてました。手薄になったところをねらって、一気にイギリス本土へ上陸しようというのです。

ネルソンは、フランスの艦隊を発見して、追跡しました。しかし、見当はずれの方向へ進む艦隊に、ネルソンはナポレオンの作戦をみやぶって、すぐひきかえしてしまいました。しばらくして今度は、ネルソンの方が作戦をたて、フランス艦隊のゆだんしているところへ、おそいかかったのです。ネルソンのイギリス艦隊は、27せき。対するフランスは、スペインとの連合艦隊で、33せきもの戦艦をしたがえていました。不利な海戦でしたが、ネルソンのたくみな指揮で、大勝利におわりました。このトラファルガル沖の戦闘の中で、ネルソンは、先頭に立っていたので、ねらいうちされて、戦死してしまいました。

ネルソンのてがらにより、ナポレオンの全ヨーロッパ征圧の野望はうちやぶられました。イギリス海軍は世界じゅうにおそれられ、そののちも、イギリス本土に攻めこまれることはありませんでした。


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