いまでこそわたしたちは、飛行機や船に乗って地球のすみずみまで行くことができます。このようになるまでには、探検家たちの命をかけた闘いが、いくたびもくりかえされてきたのです。
ロアル・アムンゼンは、1872年に、ボルゲというノルウェーの漁村に生まれ、まもなく家族といっしょに首都のオスロに引っ越しました。船乗りの子のアムンゼンは、幼いころから海がだいすきでした。
15歳のころ、アムンゼンをむちゅうにさせた1さつの本がありました。イギリスの探検家ジョン・フランクリンの伝記です。129人の隊員と2せきの船で北のはての北極にでかけたフランクリン隊が、きびしい大自然と闘い、最後には全滅してしまう話です。これを読んだアムンゼンは、フランクリンの強い意志と勇気にすっかり感動し、自分もいつかきっと北極探検に行ってみようと、ひそかに心にちかいました。けれどもそのご、父が亡くなってしまったので、母に心配かけるのをおそれ、この夢はだれにも打ち明けませんでした。
それからというもの、アムンゼンは北極探検の夢を実現させるために、スポーツでからだをきたえ始めました。スキーとフットボールを、とくに熱心にやりました。
どこの家でも、寒い日にはドアや窓をしっかりしめておきますが、アムンゼンは、冬のきびしい寒さに耐えられるようにするために、わざと窓を開けっぱなしで眠ることもありました。みんなから変わり者といわれ、母からも何度も注意されました。でも、なかなかやめようとはしませんでした。
高等学校を卒業したアムンゼンは、母のすすめで大学の医学部に進学しました。けれども母が亡くなってしまうと、アムンゼンはすぐに学校をやめてしまいました。1日でも早く、自分の人生の夢をめざして歩き始めたかったからです。
