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アンデルセン


アンデルセン
(1805−1875)
人生のかなしみや苦しみをのりこえて、生きるよろこびを書きつづけた童話の王さま。

「アンデルセン」読書の手びき

アンデルセンは、近代童話の父といわれています。アンデルセンよりも、およそ20年ほど早く生まれたドイツのグリム兄弟は、昔話を集めてグリム童話を完成させましたが、アンデルセンは、『人魚姫』『マッチ売りの少女』などによって、創作童話の扉を開いたからです。また、子どもの人格を尊重することから出発して、おとなの文学と肩を並べる、香り高い子どもの文学を確立したからです。有名な『アンデルセン自伝』のなかで、「生きることの楽しさよ、神と人間を信じることのなんというよろこびよ」と語っているアンデルセンは、数かずの名作童話に自己の人生観や幸福論をちりばめていますが、その思想の根底にあったのは、底辺に生きる人びとへのあわれみと、人間の美しい心をふみにじるものへの怒りでした。だから名作のひとつひとつには、あたたかさの裏側に痛烈な批判がこめられています。アンデルセンの願いは「すべてのものが、みんな仲よく」ということでした。

文:有吉忠行
絵:永沢樹
編集プロデュース:酒井義夫

 
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