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荒井白石


新井白石
(1657-1725)
学問を愛しつづけ、将軍につかえて正しい政治をおし進めた江戸時代中ごろの学者。

「荒井白石」読書の手びき

新井白石は、江戸幕府に仕えているあいだに、金銀貨幣の改良による経済の安定、長崎貿易の緊縮による金銀流出の制限、朝鮮との外交の大改革による国威の維持など、大きな業績を残しました。しかし、その期間は、わずか8年にすぎません。いかにすぐれた政治家であったかがわかります。でも、すぐれた政治家であるまえに、すぐれた文化人であったことをみのがしてはなりません。50歳のころ著わした『白石詩草』は一流の詩とたたえられ、その名声は朝鮮や中国へも伝わったということです。政治家を退いてからの著書は、さまざまな分野に及んでいます。歴史、文学、言語学、政治、地理、兵法、そして考古学や民俗学にも目を向け、その博学さは、18世紀に百科全書の編集にあたったフランスの思想家たちにも勝るとも劣らないといわれています。海外事情にも意を用いた白石は、鎖国の世にあっても自分の目を閉じることはなく、広く深い人生を生きぬきました。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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