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アレクサンドロス


アレクサンドロス
(前356−前323)
大帝国をきずき、東洋と西洋の文化が交じりあった、ヘレニズム文化をもたらした大王。

「アレクサンドロス」読書の手びき

数々の物語の中に、主人公として登場するアレクサンドロスは、その国、その風土によって実にさまざまに姿を変えてきました。そして物語はしだいにふくれあがり、アレクサンドロスは、神の御子にまでまつりあげられてしまいます。民衆の心をこれほどまでにとらえたのは、単に強い征服者にとどまらなかった、大王の国籍などにこだわらないスケールの大きさにあったと思われます。それは、同時代人には正しくは理解されませんでした。侵略した国の風俗習慣に自ら進んで同化し、故国の武士と東国の娘を集団見合させるなどして東西の融合を図る大王には、もはや国境などなかったのです。大王の死によって、建設途上のヘレニズム王国は滅びました。しかし、大王の試みは国という枠を越えて、東西に開かれた新しい世界をつくり出しました。ヘレニズム時代は、大きな飛躍台となり、アレクサンドロスは、その節目として人類の歴史に深く刻みこまれたのです。

文:浜祥子
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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