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シーザー


シーザー
(前102?−前44)
古代ローマ帝国の基を作った勇気ある軍人政治家。『ガリア戦記』などすぐれた著作を残す。

「シーザー」読書の手びき

シーザーが古代ローマの武将として、常に運を引き寄せ人生をきりひらいてきたのは、彼の「読み」の正確さでした。階段を上るように、ひとつひとつ地位を築いていくとき、彼の深い思慮と潔い決断がその推進力になっています。いちかばちかの選択ではありません。力の強いものが絶対の価値を有する時代に、文武を兼ねそなえたシーザーが時の英雄となったのは当然のことでしょう。『ガリア戦記』は当時のガリア人、ゲルマン人の研究には、欠かせない貴重な史料であるとともに、単なる記録を越えて、文学としても多くの人に愛読され、いっそうシーザーの名を不朽のものにしています。常に「読み」の正確なシーザーの人生に、たった1度の狂いがあったとすれば、ローマで最高の権力を手にした時、なすべき正しい判断を見失なってしまったことです。その、たった1度の失策が最も信頼していた臣下ブルータスを敵にまわし、シーザー自身の生命も失うことになりました。

文:浜祥子
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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