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チャップリン


チャップリン
(1889-1977)
笑いのなかに人生のかなしさや社会の矛盾を追求して、世界じゅうで愛された映画芸術家。

「チャップリン」読書の手びき

年老いた道化師と、自殺に失敗したバレリーナとの、清らかな心の交流をえがいた『ライムライト』。チャップリンが原作を書き、道化師に扮し、監督をして製作したこの映画を見て、涙を流さなかった人は、おそらくいなかったでしょう。それは、道化師の笑いの奥で、人間が人間であるべき、深い愛が演じられていたからです。チャップリンは、浮浪者、失業者、職工、囚人、兵隊、道化師などを演じ続けました。しかし、それはめぐまれない人間の悲しみを訴えようとしたのではなく、ゆがんだ社会を風刺しながら、人間のあるべき姿を問いつめようとするものでした。ここに、チャップリンが演じる喜劇の芸術性があります。チャップリンは、虚栄を、もっともきらいました。だから、チャップリンの映画はいつも人の心をうち、笑いの涙を感激の涙にかえさせてきたのではないでしょうか。

文:中原順
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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