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チンギス・ハン

表紙
チンギス・ハン(1162ころ-1227)
部族を統一し、アジアから南ロシアにまでおよぶ
モンゴル大帝国をつくりあげた皇帝。

「チンギス・ハン」読書の手びき

  チンギス・ハンを語るときに、頭に入れておかねばならないことがあります。それは、チンギス・ハンが帝国をうちたてるまでのモンゴル草原は、いくつもの部族がたえずにらみあい、強者が弱者を力で征服する、無法の社会だったということです。このことを、しっかりと見すえておかないかぎり、チンギス・ハンは、たんなる侵略者に、なりさがってしまいます。他から征服されないためには、自らが征服者にならなければ、自己と部族の存続を切り開いていくことは不可能だったのです。また、モンゴル帝国は、たしかに侵略的な行為によって形成されましたが、その形成過程はどうであれ、このモンゴル帝国の成立によって、ユーラシア大陸における東西の交通の道がはじめて開かれたことは、まぎれもない歴史上の事実です。こうしてみると、一代のうちにモンゴル帝国をきずきあげたチンギス・ハンは、やはり、不世出の勇気ある英雄といえましょう。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

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