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キュリー夫人

表紙
キュリー夫人(1867−1934)
夫ピエールとともにラジウムを発見し、
生涯に2度もノーベル賞を受賞した女性科学者。

「キュリー夫人」読書の手びき

 マリー・キュリーの末娘エーブの著した『キュリー夫人伝』は、次のような文ではじまっています。「マリー・キュリーの生涯は波瀾をきわめ、数々のエピソードにとんでいるので、何か伝説でも語るように彼女の一生を語りたい気持ちにかられる」。娘からみて、母の一生が伝説のように思えるのですから、まして、われわれがキュリー夫人を伝説の人のように思えるのは当然かも知れません。それは2つもノーベル賞をもらったせいでしょうか。女性として、はじめてソルボンヌ大学で講義したためでしょうか。ラジウムを発見して、原子物理学の窓を開いたからでしょうか。キュリー夫人は、それらのどれひとつとして望んではいませんでした。「もの」の本質を知りたいという強い思いだけが、キュリー夫人をつき動かし、おしゃれ、物欲、世間体などには微塵も関心を示さなかったのです。そのことが、マリーを伝説の人にしたのかも知れません。

文:浜 祥子
絵:鮎川 万
編集プロデュース:酒井義夫

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