オンラインブック せかい伝記図書館
フランクリン 1/6

植民地のわんぱくこぞう

 アメリカ合衆国が誕生したのは1776年です。それ以前のアメリカは、ヨーロッパから移住してきた白人たちが、この新大陸をうばいあい、イギリス、フランス、スペインなどの植民地に分かれていました。

 アメリカの建国に力をつくしたベンジャミン・フランクリンは、そのイギリスの植民地であったボストンで、1706年に生まれました。上には、14人もの兄や姉がいました。1683年にイギリスから移住してきた父の仕事は、ろうそく屋でした。

 フランクリンは、8歳で、ラテン語学校に入れられました。父は、おさないころから字をおぼえるのが早かったフランクリンを、牧師にしようと考えたからです。でも、家の暮らしがまずしかったため、そのラテン語学校は1年でやめさせられ、しばらく読み書きと算数を教える小さな学校にかよったのち、10歳のときから父の仕事のろうそく作りをてつだうことになりました。しかし、小さいころから明るい海と港を見てそだった少年には、暗い家のなかの仕事は、すきになれませんでした。

 「ぼくは、大きな船で、あの広い海を渡るのだ」

 船こぎも水泳も魚つりも、だれにも負けなかったわんぱくこぞうの夢は、船乗りになることだったのです。いたずらずきなわんぱくこぞうでも、心はすなおでした。

 ある日、魚がよくつれる池のそばに石が積んであるのを見つけたフランクリンは、夜、友だちを集めてきて、岸にしきつめました。いつも魚をつるとき、どろ沼のような足もとに、みんなが困っていたからです。

 さあ、朝になっておどろいたのは、その石を土台にして家を建てるつもりだった大工です。

 「こんなことをするのは、あのこぞうにちがいない」

 大工は、フランクリンの家へとんで行きました。すると、みんなの役にたつことをしたのだと信じているフランクリンは、なかなか頭をさげようとはしませんでした。しかし、やがて父の話を聞くと、自分の考えがまちがっていたことを、すなおにあやまりました。

 「人の役にたつことを考えたのは、よいことだよ。でも、大工さんにめいわくをかけたのはよくない。正しいおこないでないと、どんなことをしてもだめなんだよ」

 この父の教えは、わんぱく少年の心の奥に、いつまでも残りました。


もどる
すすむ