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フランクリン

表紙
フランクリン(1706-1790)
ひらい針を発明して科学につくし、
アメリカの独立と発展の原動力となった偉大な政治家。

「フランクリン」読書の手びき

 フランクリンは、印刷所の少年工から出発して、アメリカ建国の母とうたわれるほどになりました。しかし、フランクリンの真の偉大さは、地位や名誉を得たことにあるのではなく、人と社会のために生きつづけた人類愛の豊かさにこそ、偉人たるべきものがあります。新聞を発行したのも、図書館をつくったのも、雷の実験から避雷針を発明したのも、そして政治家になったのも、すべて社会への奉仕の心に根ざしたものでした。自分の欲望をみたすためのものではありませんでした。だから、歴史に残るフランクリンの栄誉は、自分から求めて得たものではありません。社会のために生きた生涯を終えたとき、いつのまにか偉大なる政治家、科学者、著述家としてたたえられるようになっていたのです。独立戦争のとき資金と軍隊の力を借りにきたフランクリンに、フランスの人びとは、独立しようとするアメリカが10年前までは敵国であったうらみを捨てて、あたたかい手をさしのべました。これは、人間フランクリンが、国境を越えて尊敬されていたからです。もし、このときの使者がフランクリンでなかったら、フランスの援助を得られずに独立戦争は失敗に終わったかもしれません。1776年のアメリカ独立宣言には、人間の平等と自由と権利の尊重が声高くうたわれています。フランクリン自身、つねにこの「人間の平等」をかけがえのない信条にしていたのではないでしょうか。

文:有吉忠行
絵:永沢 樹
編集プロデュース:酒井義夫

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