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平賀源内


平賀源内
(1728-1779)
医学、科学、事業、文学に才能を発揮し、むくわれないまま牢獄で死んだ江戸時代の科学者。

「平賀源内」読書の手びき

儒学を学び、本草学(薬学)で身をたて、やがては小説や浄瑠璃を書き、水平儀などの発明によって人びとをおどろかせ、鉱山採掘にも手を染め、さらには西洋画法にもとづく絵もえがいた。そして最後は、人を殺して捕えられ獄中で1人さみしく死んでいった。――これが、平賀源内です。まさに奇才です。しかし、奇才であったがゆえに、人びとには理解されず、自分の才能をもてあそぶ山師だと批判されました。そして、自分の才能が社会に受け入れられない不満から、源内自身は半ばすてばちな生活を楽しむようになっていきました。杉田玄白に「非常の人だ」といわせたのもとうぜんです。源内は、自己の才能をどこまでものばして、51歳の生涯をせいいっぱい生きたのではないでしょうか。ところが、鎖国時代の日本のおくれが、この才人を異端者にしてしまいました。獄中で果ていくとき、源内の心に去来していたものは何だったのでしょうか。それを思うとなぜか胸が痛みます。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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