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杉田玄白

表紙
杉田玄白(1733-1817)
西洋医学書を翻訳して『解体新書』を完成させ、近代医学の道を開いた江戸時代の医者。

「杉田玄白」読書の手びき

 オランダ語によって西洋の学術、科学、文化を研究する学問のことを、蘭学といいました。この蘭学は、江戸時代の中期に、幕府8代将軍徳川吉宗が鎖国時代にもかかわらず蘭学書の輸入を解禁してから急に盛んになり、国を閉じていた日本の医学や天文学や暦学などの発展にはかりしれない影響を与えました。中国から渡ってきたものを中心にしていた、それまでの日本の学問に、新しい光を発見させたのです。杉田玄白は、幸いに、その光の中に生きて『解体新書』を著わすことができました。しかし、成功までの労苦は筆舌につくしがたいものでした。私たちは、そこに先駆者たちの偉大さを感じます。玄白は『解体新書』の完成によって日本の医学の進歩に力をつくしましたが、ほんとうの功績は、日本人に、西洋に学ぶ目をさまさせたことにあります。だから、玄白は日本の蘭学の祖といわれます。人間は、つぎの時代に何かを残せたら、こんな幸せはないのかもしれません。

文:はやしたかし
絵:もりとう博
編集プロデュース:酒井義夫

 
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