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塙保己一


塙保己一
(1746-1821)
すばらしい記憶力と努力で『群書類従』の編集に一生をかけた、江戸後期の盲目の国学者。

「塙保己一」読書の手びき

江戸初期までの日本の国史、国文などの古書3373種、これを神祇、帝王、律令などの25部門に分類して集大成した『群書類従』。正編は530巻670冊、続編は1150巻1185冊。この、日本の国史、国文に関する最大史料集を完成(続編は死ご)させた塙保己一は、幼年時代に病気で視力を失ってしまった全盲の国学者でした。保己一は、記憶力にすぐれていたといわれます。人が読んでくれたものを聞いて覚え、それを頭の中で整理して、日本の古典を種類別にまとめていったのです。また『源氏物語』などをすべて自分の頭につめこんで、すばらしい講義を続けました。これは、人間の限界に挑戦して勝利をおさめた、おどろくべきことです。保己一は、自分自身に勝ったのです。しかし、これほど克己心の強かった保己一でも、「何事も見えぬになれてなげかねどふじとし聞かば涙こぼるる」と歌ったといわれます。富士山といえば、やはり眼で見てみたかったのでしょう。

文:今井育雄
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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