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伊藤博文

表紙
伊藤博文(1841−1909)
西洋に学び、日本の将来を見つめ、初代の総理大臣として活躍した、明治の政治家。

「伊藤博文」読書の手びき

 博文が学んだ松下村塾には、先輩として、高杉晋作、入江九一、久坂玄瑞、前原一誠など、明治維新にむけて活躍した人たちがいます。吉田松陰のはげしい生き方を受けついで、多くの門弟が、幕末の世に短い命を燃焼させていきました。そんななかで、博文は明治時代を42年も生きぬき、そればかりでなく、政界の中心人物として、激しく揺れ動く明治政府をリードしてきました。長州の諸先輩の屍を乗り越えて、総理大臣という最高の座を獲得した博文は、まさに、松下村塾の出世頭といえます。松陰は「素朴で実直、よく気がつく。人の心を読むのが実にうまい。人と人とをとりもつことにたけている。政治家になったら成功するかも知れん」と、若いころの博文を評しています。この性質に加えて、よき師よき友に恵まれていたことも幸運でした。かれらの存在は、きびしい身分制度の中で、名もない足軽の子が身をたてていくための大きな推進力だったといえます。

文:浜 祥子
絵:木村正志
編集プロデュース:酒井義夫

 
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