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徳川家康

表紙
徳川家康(1542−1616)
関ヶ原の戦いで天下の実権を握り、江戸幕府を開いて近世封建社会の確立をすすめた将軍。

「徳川家康」読書の手びき

 徳川家康は、征夷大将軍に任じられて江戸幕府を開き、戦国時代に終止符をうって、およそ2世紀半にもわたる平和、安定の時代を開きました。このことは、そのごの幕府に批判があるとしても、まぎれもなく偉業です。しかし、忘れてならないことは、その偉業は、家康1人で成就し得たものではなく、織田信長や豊臣秀吉たちが残したものの集積と、無数の武士や農民たちの屍の上にきずかれたものだということです。だから、歴史は重いのです。死のまぎわの秀吉に、秀頼を守って豊臣家を盛りたてていくことを誓っておきながら、10数年ごには、その秀頼さえも殺してしまいました。これ一つにも、歴史の重苦しさを感じないわけにはいきません。武家諸法度によって大名統制が進められ、士農工商の身分制によって武士の支配社会がつくられた江戸幕府。家康という人間の評価は、長い歴史をひもときながらとらえられなければ、正しいものにはならないようです。

文:大塚夏生
絵:もりとう博
編集プロデュース:酒井義夫

 
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