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ジェンナー


ジェンナー
(1749−1823)
十数年にわたって種痘の研究を重ね、恐ろしい天然痘から数えきれない人命を救った医師。

「ジェンナー」読書の手びき

ジェンナーが医者になったのは、24歳のときです。そして、種痘に成功したのは、47歳のときです。ジェンナーは、20数年ものあいだ、天然痘の恐怖から人類を救うことを考えつづけて、種痘法を発見しました。自己の名誉のためにではなく、医者としての使命に生きて、大いなる目的を果たしたのです。それにしても、人体へ初めて種痘をこころみるときの心の中は、ほんとうはどうだったのでしょうか。たとえ、研究に自信があったとしても、神のめぐみにすがりたいほど苦しかったはずです。人の命を奪ってしまうかもしれないおそろしさと、闘わねばならなかったはずです。しかし、ジェンナーは、その苦しみをのりこえて、人類に勝利をもたらしました。ジェンナーは、人類の幸福のための開拓者だったのだ、と思うとき、改めて、心に大きな灯がともります。人びとに種痘をするときのジェンナーの手は、きっと、どんな冬の日も、あたたかかったにちがいありません。

文:上村勝彦
絵:鮎川万
編集プロデュース:酒井義夫

 
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