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勝 海舟

表紙
勝 海舟(1823−1899)
軍艦咸臨丸で太平洋横断をなしとげ、日本の将来を見とおして生きた、明治維新の先覚者。

「勝 海舟」読書の手びき

 日本が1853年に開国して7年ごに、勝海舟は艦長として軍艦咸臨丸に乗り込み、日本最初の太平洋横断に成功しました。日本出帆の日、運悪く病床に伏していた海舟は、妻に「ちょっと品川まで行ってくる」とだけ告げて、そのまま乗船したということです。人間の大きさが測られます。海舟は、日本は早く列国と国際関係を結んで新しい統一国家を建設しなければならない、と考えていました。この先覚が、太平洋横断の壮挙を成し遂げさせ、さらには、西郷隆盛との会談による江戸の無血開城をも成功させたのです。官軍と旧幕府軍の争いが大きくなれば、日本はそのすきに列国のきばにかけられることを、しっかり見通していた海舟。そのからだのうちには、ほんとうの愛国心が燃えていたのではないでしょうか。日清戦争が起こったとき、71歳だった海舟は開戦に反対しました。これも真の愛国心の表われでしょう。海舟の一生は、人間が大きなもののために生きる意味を教えています。

文:松下忠實
絵:渡辺勝巳
編集プロデュース:酒井義夫

 
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