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葛飾北斎


葛飾北斎
(1760-1849)
絵ひとすじに生き『富嶽三十六景』をかいて世界に名を残した江戸時代の浮世絵師。

「葛飾北斎」読書の手びき

「己六歳より物の形状を写すくせありて」。葛飾北斎は、『富嶽百景』のあとがきの中で、このように言っています。そして、それから80数年、死のまぎわまで絵をかき続けました。死のまぎわまでどころか、100歳以上まで命があることを天に祈って、自分の絵の完成を果たそうとしました。壮絶な意志です。北斎は、生涯に、およそ3万5000点の絵をかいただろうといわれていますが、自分の絵には、いつも満足しなかったということです。ここにも意志の強さが表われています。また、たんに美しいだけの浮世絵ではなく、自分が芸術家であることの自覚をとおして、心の目でとらえた浮世絵をえがきました。とくに、富士をえがいた風景画に、それがよく表われています。だからこそ『富嶽三十六景』などの絵がフランスの印象派の画家たちをも感銘させたのでしょう。人からは奇人とよばれた北斎は、みずから号で名のったことがあるように、まさに画狂人だったのです。

文:有吉忠行
絵:鮎川万
編集プロデュース:酒井義夫

 
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