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北里柴三郎

表紙
北里柴三郎(1852−1931)
破傷風菌の純粋培養に成功して、日本の細菌学と伝染病研究のために貢献した医学者。

「北里柴三郎」読書の手びき

 柴三郎を、医学の世界へみちびいてくれたマンスフェルト。破傷風菌の研究に大きな花を咲かせてくれたコッホ。そして、日本の伝染病の研究と研究所の建設に、かけがえのない力を貸してくれた福沢諭吉。北里柴三郎は、このような心のあたたかい人たちにめぐまれて、日本の細菌学をひらいていきました。しかし、人があたたかい心をよせてくれたというのも、柴三郎自身に、人の心を動かすほどの熱意と信念があったからではないでしょうか。留学から日本へ帰ってきてからの柴三郎は、生涯、日本の学界の官僚主義と、たたかいつづけなければなりませんでした。幸い、このたたかいにはみごとに勝ちましたが、それも柴三郎に、人にも自分にも負けない強い心があったからです。それにしても、草分け時代に自分の信念をつらぬいて生きることが、どんなにたいへんだったかを、深く教えられます。とくに柴三郎が生きた時代の日本の医学は、まだ芽をだしたばかりだったのですから。

文:松下忠實
絵:木村正志
編集プロデュース:酒井義夫

 
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