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平清盛

表紙
平清盛(1118-1181)
保元・平治の乱に勝ち、はなやかな平氏の貴族的全盛時代を築いた平安時代末期の武将。

「平清盛」読書の手びき

 平氏一族の武士団が中央政界へ進出のきっかけをつかんだ保元の乱。源氏を破って平氏全盛時代を招来した平治の乱。このふたつの内乱によって、平清盛は49歳で太政大臣になると政府の高位高官を一族で独占し、やがて天皇の外祖父ともなって平氏政権を樹立しました。しかし、おごれるものは久しからず、清盛の死ご数年で、平氏は壇ノ浦の戦いで滅んでしまいました。この平家一門の盛衰は、仏教的な無常感をこめて『平家物語』に語られていますが、こののちの日本の歴史は、源平合戦の延長のように、権力抗争に明け暮れるようになっていきます。したがって、歴史の表にでてくるのは、つねに武士です。しかし、歴史をたずねるときに、忘れてはならないことがあります。それは、武士の栄華があれば、その裏側には、必ず、犠牲となって苦しんだ天皇、貴族、町民、農民があったのだということです。平氏一族に「平氏でなければ人でなし」とまで豪語させた時代が、どんな時代だったのか、深く考えてみることがたいせつなようです。

文:大塚夏生
絵:鮎川 万
編集プロデュース:酒井義夫

 
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