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孔子

表紙
孔子(前551−前479)
国と国、人と人との対立が深まる時代のなかで、平和と人間の尊重を説いた人。

「孔子」読書の手びき

 孔子は、礼儀を重んじる厳格な人でしたが、子どもたちからは、たいへんしたわれたということです。それは、人を愛することと、やさしい心をもつことを、いつもたいせつにしていたからにちがいありません。孔子のことばを記した『論語』が25世紀もの長いあいだ読みつがれているのは、人間らしい心のもちかたを中心に、人間が守るべき徳を、味わい深く説いているからです。しかも「君子は言に訥にして行ないに敏ならんことを欲す」といっているように、どの教えも口先だけで説いたのではなく、自分の実践をとおして真実を語りかけているからです。「えらい人間にはなれなくても、人に尊敬される心のやさしい人間になら、だれでもなれる」とは、なんとすばらしい教えでしょうか。シャカが、人間は自分の欲をすてよ、と説いたのと、ことばはちがっても同じです。孔子やシャカに接していると、先覚者に学ぶことのたいせつさを、改めて感じさせられます。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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