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リビングストン 1/6

正直で負けずぎらいの少年

 いまからおよそ100年ほど前までのアフリカは、暗黒の大陸とよばれていました。北部のほうに2つか3つの国があるだけで、広大な大陸の大部分は、いったいどんな土地で、だれが住んでいるのかまったくわからなかったからです。

 この暗黒の大陸にすすんで足をふみ入れ、明るい灯をともしたのがデービッド・リビングストンです。

 リビングストンは、1813年、イギリスのスコットランドに生まれました。フランスのナポレオンが、ヨーロッパじゅうに勢力をふるっていた時代です。

 父は、お茶売りの商人でした。キリスト教を深く信仰し、自分にきびしく、人に正直に生きることを誇りにしていました。母も、自分のことより、人のことばかり心配する、おもいやりのある人でした。

 リビングストンは、あたたかい家庭に育ちました。でも、約束をまもることだけは、きびしいしつけを受けました。人との約束をやぶって、むちで打たれるようなこともありました。お茶売りの息子が、のちに黒人たちからアフリカの父として尊敬されるようになったのは、父と母のきよらかな心から、正しい生き方を、子どものときにしっかり学んだからに、ちがいありません。

 10歳になったリビングストンは、織物工場ではたらくようになりました。そのうえ、朝6時から夜8時までの仕事が終わると、それから2時間、夜学にかよって勉強をつづけました。

 「かわいそうに、うちが貧しいものだから」

 毎朝、母は暗いうちにわが子を送りだすと、いつも、ためいきをつきました。でも、少年リビングストンが、ぐちをこぼすようなことは、けっしてありませんでした。それどころか、初めての給料でラテン語の本を買って、仕事のあいまにも、機械の上にひろげて読みふけるようなしまつでした。

 植物採集をするため、ひとりで山を歩いたり、友だちがこわがって近よらない古い城あとへ、へいきな顔をして探検に行ってみるようなところもありました。おとなしく勉強だけしている少年ではありませんでした。自分の目で確かめて、行動しながら学ぶという習慣を、しっかり身につけていました。


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