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マホメット

表紙
マホメット(570か571−632)
アラーの神のまえには、すべての人は平等であるというイスラム教を開いた人。

「マホメット」読書の手びき

 「左手にコーラン、右手に剣」といわれるほど、マホメットの生涯は戦いの連続でした。この世を去るまでの間に、50回以上もの戦争をしています。それらは全部イスラム教を広めるための戦いでした。つまり聖戦です。コーランには「異教徒との戦い以外では、人を殺してはいけない」と書かれていますが、たとえ布教のためとはいえ、人を殺すことは否定されるべきです。人間を救うはずの宗教なら、なおさらのことです。しかし、当時の宗教は、現在われわれが考えているようなものではなく、民族や国家の政治理念でした。布教とは、即ち無政府状態にある砂漠の民を統一してイスラム国をつくることです。そのためには、剣の力をかりないわけにはいかなかったのかも知れません。仏教、キリスト教と並び世界三大宗教の1つとなったイスラム教が、日本に広まらないのは、その激しさが、温暖多湿のおだやかな風土に生きる日本人の肌に合わないのでしょう。

文:浜 祥子
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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