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マゼラン

表紙
マゼラン(1480ころ-1521)
かずかずの困難を、ひたすら忍耐で乗りきり初の世界周航に命をささげた勇敢な航海者。

「マゼラン」読書の手びき

 初の世界周航者として、マゼラン海峡の発見者として歴史にさん然たる名を残しながらマゼランはいつも悲劇的な色あいをおびて語られます。非業な最期に対する無念さのためだけではないでしょう。マゼランの遺志は残された最後の1隻「ビクトリア号」に乗り移って地球を一周しスペインに戻ってきたのですが、もはやそれはマゼランの業績としては認められませんでした。そればかりではなく、ひにくにも、マゼランにそむき彼の命がけの仕事を激しく阻もうとした人物にその功績のすべてが渡ってしまったのです。妻や息子はマゼランの後を追うように死んでしまい、マゼランの血筋は完全に絶えてしまいました。さらに悲劇は続きます。あのマゼラン海峡が、あまりにも危険な場所ゆえに、後の世にうとまれ無用のものとされ、パナマ運河が開通するとともに忘れ去られてしまいました。この悲劇の人の犠牲の上に、全人類は初めて地球の大きさを知ることができたのです。

文:浜 祥子
絵:高山 洋
編集プロデュース:酒井義夫

 
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