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本居宣長

表紙
本居宣長(1730-1801)
古代の日本人の心をもとめ、30数年もの歳月をかけて『古事記伝』を書いた国学の大成者。

「本居宣長」読書の手びき

 『古事記』は、神代から推古天皇までの皇統を明らかにすることを主目的にして712年に完成された、日本最古の歴史書です。神話や伝説をまじえて書かれ、虚構が少なくありません。しかし、古代の日本人のものの考え方や生活のようすを知るには、貴重な歴史書です。日本の古代と古典の研究をめざした本居宣長は、『源氏物語』『万葉集』『古今和歌集』『伊勢物語』などを研究したのち、さいごは『古事記』の研究にとりくみました。そして、44巻の注釈書をまとめあげて、日本の国学を盛んにしました。この国学が、やがて、皇室を敬う尊王精神の高揚へと発展していったのです。宣長が『古事記伝』で『古事記』の虚構の部分を殆ど批判しなかったことには問題があります。でも、日本人の精神をさぐろうとしたことには純粋なものがあり、その心のうちは、随筆集『玉勝間』などに表われています。90種260余巻の著書を残した宣長は、まさに日本最高の国学者のひとりです。

文:はやしたかし
絵:木村正志
編集プロデュース:酒井義夫

 
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