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モーツァルト

表紙
モーツァルト(1756-1791)
『フィガロの結婚』『魔笛』『トルコ行進曲』など、おおくの名曲をうみだした天才音楽家。

「モーツァルト」読書の手びき

 天才だったモーツァルトは「わたしの心には、いつも、しぜんに、絶え間なく音楽がわきでてきた」と語っています。だから、わずか35年の生涯に600を超える曲を作ることができたのでしょう。しかし、音楽家は宮廷や貴族につかえなければ生活できない時代に、それをことわって自由な道を歩もうとしたモーツァルトの生活は、パンを買うお金もないほどに貧困でした。いまからすれば考えられないことです。それほどの生活苦のなかにありながら、モーツァルトの音楽はどの曲も、やさしさと、美しさと、明るさにあふれていました。それは古い封建的なわくのなかで豊かに暮らすのをことわって、自ら自由の天地におどり出た人間の、みずみずしいいのちが、喜びにかがやき、ほとばしっていたからでしょう。多くの人が、芸術家や、芸術家らしく生きることにあこがれるのは、人生に、自由なたましいを求めようとするからではないでしょうか。

文:有吉忠行
絵:田中 潔
編集プロデュース:酒井義夫

 
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