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ノーベル


ノーベル
(1833-1896)
発明したダイナマイトが、戦争に使われたことに心をいためてノーベル賞を残した化学者。

「ノーベル」読書の手びき

ノーベルは、晩年は世界の軍備競争にまきこまれて、武器を生産して利益を得る「死の商人」となり、人類の発展のために発明したはずの火薬が、逆に人類をほろぼすものになることに苦しみました。そして、そのごの20世紀は、ノーベルが心を痛めたとおりになりました。人類が悪に手をそめて第1次・第2次世界大戦をひき起こし、数千万人の命を奪いあったのです。国籍、人種、宗教に関係なく、文化の発展と人類の平和につくした人に贈られるノーベル賞は、すばらしいものです。しかし、人間と人間が火薬で殺しあう戦争が地球上から絶えないかぎり、ノーベルの遺志は、ほんとうにひきつがれてはいない、といってよいのかもしれません。発明、発見には人間の知恵が必要です。でも、発明、発見されたものを真に人類の進歩に役だてていくためには、さらに大きな知恵がなければならないようです。このことは、日本に投下された原子爆弾が、なによりも明白に証明しています。

文:有吉忠行
絵:中渡治孝
編集プロデュース:酒井義夫

 
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