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良寛


良寛
(1758-1831)
自然を愛し、子どもたちを愛し、自由に歌をよみながら仏の道に生きた心あたたかい僧。

「良寛」読書の手びき

良寛の父は、領主の命令を受けて村をおさめる名主でした。形のうえでは村長です。しかし、自主的な政治は許されず、つねに領主に支配されながら、貧しい農民から年貢の取りたてをおこなわなければなりませんでした。長男だった良寛が出家したのは、ひとつには、この仕事をつぎたくなかったからだろうといわれています。出家した良寛は、支配や権力のない世界で超俗的な生涯を送りました。しかしそれは、たんに俗界から逃げたというのではなく、禅によって悟りをひらき、その悟りの境地で生き続けたのではないでしょうか。シラミも自分といっしょに日なたぼっこをさせ、自分が立つときは、そのシラミを、また自分のふところに入れたと伝えられていますが、これは禅で得た愛がなければできなかったことでしょう。良寛の歌は、死ご、弟子の貞心の手でまとめられました。歌集『蓮の露』です。ひとつひとつの歌に、人の心をたいせつにする愛がうたいこまれています。

文:ワシオトシヒコ
絵:鮎川万
編集プロデュース:酒井義夫

 
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