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坂本龍馬

表紙
坂本龍馬(1835-1867)
新しい時代へ突っ走り、薩長同盟を成立させて大政奉還を実現にみちびいた、幕末の志士。

「坂本龍馬」読書の手びき

 薩長同盟の大役を果たした翌年、坂本龍馬は、後藤象二郎とともに、長崎から京都へむかった船のなかで、船中八策とよばれるものをまとめています。朝廷への政権返上、公議政体、人材の登用、国際法の確立、憲法の制定など8項目をかかげ、民主的な近代国家の建設をよびかけたものです。この八策が、大政奉還建白書の中心となり、さらに、1868年に明治天皇が「広ク会議ヲ興シ、万機公論ニ決スベシ」と記して発した五か条の御誓文の基礎にもなりました。このひとことからだけでも、龍馬が、いかに、日本のあるべき将来を正しく見通していたかがわかります。しかし、自分自身は、新しい時代の恩恵になにひとつ浴することなく、まさに、歴史のいしずえとなって死んでいきました。いしずえになったといえば、西郷隆盛や勝海舟らだって同じです。明治維新に活躍した人びとの生涯を追うとき、人間の生きるほんとうの価値について、無言のうちに教えられます。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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