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シャカ

表紙
シャカ(前566ころー前486ころ)
王子として生まれながら、人間の苦しみや不幸を救おうとして出家、仏教を開いた。

「シャカ」読書の手びき

 さとりをひらいたシャカが、教えを広める旅のとちゅうにふるさとの国に立ち寄ったとき、町の人びとは、そまつな衣をまとい、はだしで物乞いする、かつての王子のすがたに、はじめはおどろいたにちがいありません。しかし、人びとは「心のまよいを捨てよ」「我欲を捨て去れ」と説く、シャカの澄んだ声を耳にしたとき、いかなる王にもまさる気高さに、思わずこうべをたれました。シャカのからだから発する光のなかに、権力や地位や富などとは、とてもくらべものにならない偉大さを認めたからです。わたしたち平凡な人間は、このシャカの教えを、そのまま自分のものにすることは、とてもできません。でも、「人間の価値は心の美しさできまるのですよ」「人間は自分のことばかり考えてはいけませんよ」くらいのことは、心がけひとつで、自分のさとりとすることができます。シャカの教えは仏教です。真理だからこそ、人は仏教に救いを求めるのではないでしょうか。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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