世界の鉄道の始まりは、木のレールの上に、木の車輪をつけた箱をのせ、これを人や馬が引くというものでした。やがて、木のレールが鉄になり、人や馬が蒸気機関車に代わったのは、19世紀の初めです。鉄道の父とよばれるジョージ・スチーブンソンは、この蒸気機関車を、初めて開いたイギリスの技術者です。
スチーブンソンは、1781年に、イギリス北部の炭鉱地にあるワイラムという村で生まれました。
父は、炭鉱の、坑内にわきでた水を外にくみだす蒸気機関のかまたきでした。家はたいへん貧しく、住まいは、1軒の家に、よその3家族といっしょでした。
スチーブンソンが学校へ通うゆとりなど、ありません。家を助けるために、友だちと遊びたいのもあきらめて、はたらかなければなりませんでした。
牧場の番をするのが、スチーブンソンの仕事でした。でも、1日じゅう一人でいるのは、たいくつでしかたがありません。いつも、まるで生きもののように動いている、炭鉱の蒸気機関をながめては、粘土で、機械の模型を作ってばかりいました。
14歳になった年から、父の助手として、炭鉱ではたらくことになりました。石炭の粉で顔も手もまっ黒にして蒸気がまをたく仕事は、危険でたいへんでした。しかし、坑内の水をくみだすのは、たいせつな仕事です。それに、朝から晩まで、蒸気機関のそばにいられるのが、何よりも楽しみです。スチーブンソンは、毎朝、母に見送られて、元気よく炭鉱へでかけました。
そのころ、イギリスでは、機械文明の発達によって産業革命が始まっていました。革命の最大のきっかけになったのが、技術者ワットの、蒸気機関の発明です。
蒸気機関をとり入れると、物を、早く大量に生産することができるようになり、これが、それまでの産業のしくみを変える大きな力になったのです。
