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北条時宗

表紙
北条時宗(1251-1284)
2度にわたる元のしゅう来から日本を守った、勇気ある鎌倉幕府の若い執権。

「北条時宗」読書の手びき

 文永の役、弘安の役は、日本がはじめて外敵の侵略を受けようとした国家的な危機でした。幸い、2度とも、玄海灘に吹きまくった暴風雨によって国難をまぬがれました。当時の人びとが「神風が国を守った」と信じたのもむりのないことです。それにしても、17歳で鎌倉幕府の第8代執権職についた時宗は、文永の役のときは、まだ23歳でした。そして、その翌年、24歳のときに、再び国難がおとずれることを覚悟のうえで元の使者を切ったのですから、その勇気はおそるべきものだったにちがいありません。しかし、元との戦いに勝つことはできても、戦争による国の乱れは防ぐことができず、心労にからだをすり減らした時宗は33歳の若さで世を去りました。この元の来襲以来、日本は第2次世界大戦の末期まで外国の侵略を受けませんでした。大きな理由の一つは日本が島国だったからです。日本の歴史は、島国の特殊性をふまえて見つめなければなりません。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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