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徳川吉宗


徳川吉宗
(1684-1751)
けんやくをしょう励して「享保の改革」を行ない、江戸幕府をたてなおした第8代将軍。

「徳川吉宗」読書の手びき

徳川吉宗が幕府将軍職について17年めの1732年に、主にイナゴ害による大飢饉が西日本一帯に起こりました。のちに享保の飢饉とよばれるようになった災害です。そして、この飢饉によって窮民があふれ、米価が高騰し、各地で窮民が富商の米倉などを襲う打ちこわしが発生しました。ところで、このとき吉宗は、米の買い占めなどを禁止して米価が安定するような政策はとりましたが、積極的な窮民救済策は行いませんでした。むしろ、幕府の収入増を図るために、農民からの年貢取りたてを強化しました。吉宗が行った一連の政治政策を、享保の改革とよんでいます。しかし、その多くは民衆のための改革よりも、幕藩体制の安定を主目的としたものでした。民衆の側からすれば、ここに、吉宗が名君とたたえられることへの矛盾があります。幕府の政治は、つねに幕府と武士社会のための政治だったという事実を、しっかりとおさえておかなければいけないようです。

文:有吉忠行
絵:岩本暁顕
編集プロデュース:酒井義夫

 
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