オンラインブック 子どもは語学の天才!
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ダッドってなんだ!

 3歳の女の子のお母さんから、英語教材についての相談を受けたことがありました。私が子ども向けの英語教材の企画や制作にたずさわっていることを、人づてに聞いたからなのでしょう。
 マザーグースの歌が入ったCDやビデオなど、楽しみながら英語を身近に感じられるものがいいですよ、とごく一般的な答えをしました。ところがこのお母さんはたいへん熱心で、英語の歌は、0歳の頃からたくさん聞かせてきたのだそうです。自分が学生時代に英語で苦労したから、わが子にだけはそんな思いをさせたくない、そろそろ簡単な英会話ができて、将来学校の勉強にも役立つような教材をそろえたいといいます。
 そこで、カード遊びをしているうちに自然と英会話の基本や体系的な英語力が身につく、リピートカードシステムの話をしました。私自身もプロジェクトに参加して1年がかりで完成させた自信作でしたが、ちょっと値がはるので、誰にでも勧めるというわけにもまいりません。ポイントを説明するとくわしく知りたいといいますので、販売元の会社を紹介しました。カタログを取り寄せたお母さんはたいへん気に入って、すぐにでも購入したかったようですが、ご主人は「まだ日本語も満足に話せないのに英語なんて」とか「そんな高価な教材なんかいらない」などと、なかなか賛成してくれません。それでも悔いのない子育てをしたいという熱意で、渋るご主人を説得してついに購入されました。
 反対を押し切って、ようやく買い求めたんです。もし活用できなかったら何をいわれるかと、意地になってどんどん使いました。毎日少しずつカードを聞いたり録音したりしているうちに、子どもにとって英語が身近なものになってきたんでしょうね。ある朝、夫が起きてきたら、子どもがいったんです、Good morning Dad.って。夫がびっくりしてダッドってなんだと聞くと、子どもは「お父さんのこと」といいます。すると夫は私に、「お父さんっていうのは、fatherだろう」って。私も子どもといっしょにカードを聞いたり解説を読んだりしていましたから、father というのはややかしこまった言い方で、Dad は父親を親しみをこめて呼ぶ言い方。ほかに Daddy という言い方もあって、お母さんのことは Mom とか Mommy っていうのよと教えたら、お前もたいしたもんだなって、ちょっと尊敬のまなざしなんです。「学校ではそういう英語は習わなかったな。しかも発音はおれよりはるかにうまい」なんて……。今では会社で、「うちの子は英語がしゃべれるんだよ」って、さも自分が教材を買ってあげたみたいにいってるようなんです。家では夫も私も子どもといっしょになってカード遊びに興じていますので、英語がどんどん飛び出して、アメリカの家庭みたいです。
 お母さんのお話を聞いていると、ほほえましい家庭の様子が目に浮かぶようで、こちらまでうれしくなってしまいます。この調子でご家族で英語カードに親しんでいけば、使える英語が身についていくことは間違いないと確信しました。


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