オンラインブック 子どもは語学の天才!
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英語を始めるのは何歳から?

 英語が「国際共通語」として重要な役割をはたしていることは、今や誰もが認めるようになりました。それでは英語を身につけるための学習は、いつごろから始めたらいいのでしょうか。
 「大脳生理学」という人間の脳の仕組みを究明する学問は、1960年代からアメリカを中心に発達してきました。この分野の研究によれば、人間の赤ちゃんは、およそ140億個の脳細胞をもって生まれます。その細胞は成長とともに数が増えていくのではなく、それぞれの脳細胞から神経の枝がのびて、お互いに手をのばすようにつながり、複雑にからみあいながらはたらきが高まってくるのだそうです。
 それはまるで、ひとつひとつでは何の役割もはたせないコンピューターのICが、それぞれをつなぐ配線によってはじめて、コンピューターとして機能するようなものです。配線が緻密になればなるほど性能のよい頭脳ということになりますが、それをつくるのは赤ちゃんが生後受けるさまざまな刺激、特に母親からの愛情のこもった話しかけや抱擁など、母と子のふれあいの質と量が、決定的な意味をもつのです。この大脳の配線、つまり脳細胞のからみあいは、生後まもなくから急速に進行し、3歳までに60%、6歳までに90%、10歳までにはほぼ完成することがわかっています。昔から「三つ子の魂百まで」(3歳までにつくりあげられた性格や基本的な行動パターンは、死ぬまで変わらない)と、ことわざでもいわれてきたことが、科学的に実証されてきたといえましょう。
 さらに最近の研究では、五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)が外からの刺激をキャッチする力や、記憶など基本的な情報処理の力、考える力、学ぶ力、感情の豊かさ、運動能力などの発達には、それぞれ臨界期(タイムリミット)があることがわかってきました。1970年代に行なわれた実験で、生後まもない子ネコを、1か月半ほど片目だけで生活させ、その後両目に戻したところ、子ネコの片目の視覚が回復することはなかったそうです。成長したネコでは、このようなことは起こらないので、大脳の視覚をつかさどる部分(視覚野)と網膜を結ぶ視神経の回路は、生後のごく早い時期に形成され、ネコのタイムリミットは生後45日だということが判明したわけです。
 後章でも詳述しますが、さまざまな研究によると、人間が母国語以外の言葉を確実に身につけるにもタイムリミットがあり、それは10歳くらいといわれています。しかし、タイムリミットを待つまでもなく、0歳に限りなく近いとき、つまり早ければ早いほどよいということになります。


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