オンラインブック 子どもは語学の天才!
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子どもはことばを習う天才

 ある有名な心理学者の「外国語をいかに学ぶべきか」という講演のあと、ひとりの聴衆がたずねました。「外国語が上手な人の頭の中って、いったいどうなってるんでしょうか」心理学者はにこっと笑って、ウインクしながらこう答えました。「なーに、人よりちょっぴり子どもっぽくできているだけですよ」
 ことばを覚えるという点に関して、子どもが大人よりずっと優れていることをユーモアたっぷりに表現した、興味深いひとことです。
言語を効果的に学習するには、つぎの5つの条件をそなえていることが必要であるといわれています。

 1 まねることが上手であること
 2 聴覚、発音の器官が柔軟であること
 3 機械的な学習にあきないこと
 4 繰り返しの学習にたえられること
 5 失敗や誤りを恐れたり、恥ずかしがったりしないこと


 子どもが「ことばを習う天才」であるのは、このすべてを先天的に身につけているためだといえます。子どもの聴覚は、大人には想像できないほど鋭いものです。特別な訓練や教育がなくても、話しかけられた音を聞き、ことばが使われる場面を経験するだけで、5歳くらいまでには母国語の基本を習得してしまいます。音楽の分野では、年齢とともに絶対音感の習得がむずかしくなることが知られていますが、これは外国語教育、特に外国語の音声教育にも当てはまることなのです。
 早期教育の大切さは、多くの人々によってとなえられ、それに関する本も数多く出版されています。特に音楽や、音を抜きには考えられない語学の場合、早い時期をのがすと、同程度の力を得るのに何倍も何十倍もの努力を要求され、ある能力には、後になっていくらがんばっても取り返せない部分もあるようです。
 セオドール・アンダーソンという学者は、「物事をひとつのパターンとして丸ごとおぼえてしまう能力」は、0歳に近ければ近いほど優れている。それに対し、「理屈でおぼえる能力」は年齢とともに高まり、10歳を境にしてその能力は逆転するという説をとなえています。語学(ことば)には、理屈でおぼえるより機械的に学習していく面が多いため、10歳以前にはじめるべきだというのが結論です。
 さらに、子どもの心理的、社会的な面から考えても、幼児の時期は英語を学習するのに最適だといえます。絵本の犬の絵を見て、「いぬ」と教えるのと同時に「dog」と教えることができて、子どもも何の抵抗もなく「いぬ」も「dog」もおぼえることができるからです。数に興味をもちはじめた子どもなら、1、2、3…といっしょに one, two, three …と数えてみたり、身近にあるものを使って、色の名前などを教えたりするのは、親の心がけしだいで誰にでもできることです。


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