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日本人の「英語オンチ」3大理由

 「日本人は英語は読めるが、話したり聞いたりするのはだめ」といわれてきました。なぜこれほどまでに、日本人は英語をはじめとする外国語の学習がニガテなのでしょうか。
 外国語の学習に最も必要なのは、聞く能力です。日本人の聴力は、世界の人々と比較するとひどく貧弱だといわれています。幼児期における聴覚の形成過程から、その原因を考えてみましょう。

[第1の理由]
 日本人は、日本語以外の言語を聞く機会がほとんどないまま育つからです。ほぼ単一民族、単一言語である日本に比べると、欧米をはじめ多くの国々では複数の人種がいりまじり、さまざまな言語が飛び交っています。例えばスイスには、フランス語、ドイツ語、イタリア語の3か国を話す人たちがたくさんいますが、それは公用語であるというだけでなく、日常的に3か国語を耳にしているからに他なりません。

[第2の理由]
 日本語が世界でも「音韻の種類がもっとも少ない」言語のひとつだからです。例えば、日本語の母音は a i u e o の5音しかありませんが、英語の母音は、単純母音と二重母音をあわせると、およそ20音もあります。子音にしても、英語には日本語よりはるかに多くの音韻が存在します。さらに、日本語は英語などに比べ、抑揚(イントネーション)に乏しい言語です。最近の音楽で、英語の抑揚をわ ざわざまねた歌が多いのは、日本語の歌詞が音楽的でないためだといえましょう。
  耳には、はじめからさまざまな音を聞き分ける能力が備わっているわけではありません。妊娠7か月頃から育ちはじめる赤ちゃんの聴覚は、誕生後急速に成長をとげ、幼児期までに、その基礎が形成されます。そしてさまざまな音を聞くことにより、それらの音を正確に受け取る機能が、大脳の神経細胞に備わっていくことがわかっています。ですから、毎日豊富な音韻を聞いて育った子どもの耳は、豊富な音韻を正確に聞き分ける能力を持つようになります。一方、乏しい音韻だけ聞いて育った子どもの耳には、豊富な音韻を聞き分ける能力が育たないといってよいでしょう。それは、日本人であっても、幼児期に外国語を耳にして育った人たちが、外国語を聞いたり話したりできるようになっていることからもわかります。

[第3の理由]
 大多数の人たちが、これまで中学生になってはじめて英語を習いはじめてきたからです。そして、次々に高度な知識を要求され英語を楽しむ余裕などないこと、さらに点数で評価を受ける「勉強」としてつきあいはじめ、高校、大学入試をめざした「受験英語」しか学べなくなってしまうことも原因です。
 以前、グレゴリー・クラーク氏が多摩大学の学長に就任したとき、大学入試に英語を課さないことが大きな話題となりました。中学・高校と間違った方法で学んだ生徒の英語力など、テストしても無駄、大学に入ってから正しい英語教育をはじめるというのがその理由です。クラーク氏もまた、英語を学ぶ時期は早ければ早いほどいいと、力説されています。


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