オンラインブック 子どもは語学の天才!
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歌はなぜ「英語入門の絶好教材」か

 「英語の歌」が、英語学習の教材としてふさわしい理由は、次の3点です。

  1. 英語は、音楽的な抑揚とリズムのある言語である。
  2. 歌には、日常使われる表現・構文・単語がふんだんに出てくる。
  3. 英語詩の原点といわれる韻(ライミング)が学べる。

 特に入門期には、イギリスを中心に昔から歌いつがれてきた童謡「マザーグース」をおすすめします。「マザーグース」を特定の童謡のように思っている人がいますが、じつは子守歌・遊び歌・おまじない・不思議歌・なぞなぞ・ナンセンス・物語歌など、さまざまな伝承童謡の総称なのです。日本では「メリーさんのひつじ」「きらきら星」「ハンプティ・ダンプティ」「ロンドン・ブリッジ」などがよく知られています。「10人のインディアン」や「ABCの歌」「しあわせなら手をたたこう」「ハッピーバースデイ・トゥ・ユー」「ジングルベル」や、アメリカ大リーグの試合中に観衆がみんなで歌う「野球の試合に連れてって」(Take me out to the ball game)も、「マザーグース」といっても間違いではありません。アメリカでは「マザーグース」、イギリスでは「ナーサリー・ライム」(子ども部屋の歌)と呼ばれることも、知っておくと便利です。
 欧米で暮らしたことがある人たちは、「マザーグース」がいかに生活に深く溶け込んでいるかを知って、ビックリするといいます。毎日目にする新聞・雑誌の見出しや、映画のタイトルにも、「マザーグース」の歌からの表現がたくさん見受けられます。ある老夫婦を主人公に核戦争の恐怖を描き、映画にもなったレイモンド・ブリックスの「風が吹くとき」(When the wind blows)は、英米人ならだれもが幼い頃耳にした子守歌の1節をタイトルにしたものです。マリリン・モンローの主演映画として有名な「お熱いのがお好き」(Somelike it hot)も、「熱い豆がゆ」という代表的な「マザーグース」の歌の1節なのです。
 そしてなによりも、「マザーグース」の一番の魅力は、リズミカルな語呂のよさと、楽曲としての美しさです。語学マスターのコツは、「くりかえすこと」。単純な繰り返しの得意な幼児期に、あきのこない楽しい歌を聞かせれば、英語の抑揚や言いまわしが歌といっしょにすいすい吸収されることでしょう。


英国レディバード・いずみ書房共同制作
「マザーグースコレクション」

 「英語の歌」に親しんだのがキッカケで「英語」が大好きになり、それを仕事の一部にしている人もたくさんいます。音楽評論家の湯川れい子さんは、プレスリーの歌で英語をマスターしたそうです。映画の字幕翻訳家の戸田奈津子さんも、ビートルズやペリー・コモの歌が英語の学習にとても役立ったといいます。歌手の雪村いずみさんは、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」や「きらきら星」、ラブソングなど片端からおぼえて、英語の感覚をつかんだそうです。作家の落合恵子さんも、たまたまラジオから流れてきた1曲のバラードが、英語に親しむキッカケをつくってくれたと記述しています。
 どんな歌でも、繰り返し歌って、英語特有の言いまわしや単語、発音を丸暗記してしまうことをおすすめします。楽しく歌っておぼえた英語は、お子様にとって一生のものとなることは間違いありません。


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