オンラインブック 子どもは語学の天才!
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「フォニックス学習」はなぜ大切か

 フォニックス(音声法)とは、単語のつづりと発音の関係を教える指導法です。アメリカやイギリスなど、英語を母国語とする国では、子どもたちに単語のつづりと発音の規則性を念入りに教えます。この「フォニックス学習」が、入門期における国語教育(英語教育)の中心になっているのです。
 アルファベットは、日本語の「あいうえお」に当たります。「あいうえお」は50の文字からできていて、たとえば「あ」は、いつでも「あ」と読み、文字の名前と発音は基本的に同じです。一方アルファベットは26文字しかありませんが、文字の名前と発音の仕方が違うことがほとんどです。 
 たとえば、アルファベットのA、B、C、Dは、「エイ、ビー、シー、ディー」という名前を持っていますが、多くの場合、apple の「ア」 book の「ブ」 clock の「ク」 dog の「ドゥ」というように発音するはずです。このように、ひとつひとつの文字がどんな音をもっているか、文字と発音の規則性をしっかり身につけておけば、はじめて出会う単語でも、つづりを見ただけで発音でき、発音を聞いただけでつづることもできるのです。
 たとえば、at の発音やつづりがわかったら、at の前に b や c のついた、bat(バット・こうもり)cat(ねこ)を見ても、すぐに発音したり書いたりできます。さらに、fat(太った)hat(ぼうし) mat(マット)pat(軽くたたく)rat(ねずみ)sat(座るの過去形) vat(大おけ)などの単語にであっても、とまどわずに発音したり書いたりできるわけです。
 アメリカやイギリスの小学校では、アルファベット26文字のほか a のつく音だけでも、at をはじめとして、wa(want) age(page) an(can) air(hair) ate(late) ea(head) aw(saw) ai(wait) oa(boat) ay(play) ear(hear) ake(cake) ail(tail) ack(back) eak(peak) ar(car) というような音(カッコ内は単語例)を学びます。am や all も忘れてはいけません。 ham(ハム) jam(ジャム) ram(雄ひつじ)ball(ボール)tall(背が高い)wall(壁)……。

リズムで覚えるフォニックス
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 このように、アルファベットの1文字から3文字の音(フォニックスサウンド)約130種を、音と文字を正確に結びつけて認識できるよう、1年から1年半かけてじっくり訓練します。この学習によって、6、7歳の子どもでも、1200語から3000語の単語を正しく発音し、正確につづれるようになるということです。
 英語圏の人たちが日常使用する国語辞典(英英辞典)には、発音記号の表示はほとんどありません。フォニックス学習をしているために、発音の仕方で迷うことはないからなのでしょう。
 前章でもふれましたが、このフォニックスサウンドは、「韻(ライミング)を踏む」英語詩に欠かせないものです。たとえば「マザーグース」の「ハンプティ・ダンプティ」でも、タイトルはもちろん、はじめの2小節で wall と fall が韻を踏んで使われています。
Humpty Dumpty sat on a wall (ハンプティ・ダンプティ塀の上)
Humpty Dumpty had a great fall(ハンプティ・ダンプティ落っこちた)
 日本でも、私立の幼稚園や小学校では、フォニックスによる英語教育をおこなっているところが増えています。英語の学習にとって非常に重要な「発音とつづり」の指導は、繰り返しの単純な訓練ですから、幼児や小学校低学年には楽しくできても、中学生には心理的にむずかしいに違いありません。こんな点からも、英語学習のスタートは、早いほどよいといえます。


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