オンラインブック かしこい子どもに育てるための15章
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第1部 幼児の可能性

(1)親の手におえない子どもたち

イラスト  このごろ、子どもの育てかたに自信を失ったという悩みを訴える親がめだって多くなっているようです。ことに中学の後半から高校生、いわゆる思春期になってから問題が出はじめており、親は子どもたちとの接しかたに手を焼き、 とまどっているというのが実情です。

 これは、ある新聞のコラムの要旨です。

「親に暴力をふるう子がふえているという。たとえば母親に殴りかかり、煮えたぎった湯をあびせる中学2年の少女がいる。『てめえの育て方が悪いんだ。考えてみろよ』と母親をののしる中学1年の少女がいる。母親を殴るだけでなく、裁縫用のコテで父親に殴りかかる少女がいた。 『親でもおれに命令するのは許せない』とどなり、ついには母親の首を締め、包丁をもちだして暴れるようになった。その一人息子を殺した父親は、『毎日が地獄のようでありました』と公判で述懐している…」

 ここまで極端ではなくても、「もう親の手にはおえない」 と頭をかかえこんでいる親が少なくありません。登校拒否症をはじめ、心の不安から身体が病気のようになってしまうという心身症、虞犯(ぐはん)といわれる非行予備軍、勉強をなまけて遊び歩き、どこにいるのかわからない子どもたち。さらに、学ばず、遊ばず、働かずといった無気力におちいり、生きる意欲さえ乏しいヤル気のない子どもたち。

では、どうしてこういう問題がおこるのかとなると、専門の心理学者は口をそろえたように幼児期の育てかたに問題があったと指摘しています。もちろん、子どもたちを取り巻く現代社会の環境その他の要因が多々ありましょう。しかし、最大の要因は、幼児期の子育てのゆがみであり、それがツケとなって思春期以降にまわってきたと断言できます。


 
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